日本でできる溶岩体験。斜面一面の溶岩流の跡は圧巻。宮沢賢治の『春と修羅』、鬼神の棲みかはココ!
何年か前に某CMで「ハワイでドロドロ溶岩体験、プライスレス!」なんて言ってました。ハワイじゃなくても溶岩体験はできるんです、ここ岩手で。
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1686年から1934年の間に複数回、岩手山の山腹から噴出した溶岩が斜面を流れて冷え固まった様子を昔の人は「山を焼きながら、走っている!」と表現したのが「焼走り熔岩流(やけはしりようがんりゅう)」だそうです。たしかに、焼けて走っているように見えたでしょう。
国際交流村センターハウス横の駐車場から東に溶岩流観察路があるのでルートに沿って散策しましょう。このエリア全体が特別天然記念物なので順路から外れたり、石木を持ち帰るのは禁止です。
一面黒い、本当にモンスターのような岩の風景が広がります。岩の上にはかろうじて苔が生育し、鳥によって運ばれた種が芽を吹き所々木が生えています。溶岩流の複雑な穴は鳥のよいすみかになり、沢山の鳥が生息しているようです。
溶岩の終点付近はまだ残雪が残っており、今まで見た真っ黒な風景と雪のコントラストが楽しめます。
展望台下には宮澤賢治の詩碑があり、ここを「ごく強力な鬼神たちの棲みかだ」と表現したり、「およそ二百三十五年のあひだに 空気のなかの酸素や炭酸瓦斯 これら清洌な試薬(しやく)によつて どれくらゐの風化(ふうくわ)が行はれ」など詩人の目線と科学者の目線での表現が新鮮でした。
子どもや仲間と話しをしながら散策するには丁度良い長さですが、途中に水場はないので水分と歩きやすい靴がマストです。以上、岩手山 焼山走りの紹介でした。